B2Bマーケティング: 華やかさ0, 実力100
華やかさはない。ただ内実のみが存在する。
仕事において、華やかさと成果は因果関係にありません。ビジネスが機能し、成功するためには、いわゆる見栄えの良い仕事よりも、その姿がどうであれ、必死に問題の解決策を見つける人が必要です。誰もが華やかだと思う業界のビジネスにも、その存在理由を証明するしっかりとした「影」があります
マーケティングも同じです。有名な芸能人と広告を撮ったり、見栄えの良いポップアップやグッズを企画する仕事が注目を集めますが、大多数のマーケターの日常業務は、些細でありながらも大変な作業で満ちています。特にスタートアップや新規事業では、限られたリソースの中でビジネスの生存をかけたマーケティング活動に集中します。
企業を対象としたB2B(Business to Business)マーケティングは、生まれつき派手なものではありません。活用できるメディアの数も非常に限られています。購入転換の直前段階にあるB2Cマーケティングとは異なり、長期的な視点でセールスが発生するのを待たなければならず、100%正確なパフォーマンスを把握するのは難しいです。
見た目が華やかなマーケティングは、B2Bマーケティングには存在しません。そのため、内実にのみ集中せざるを得ません。どうすればリードを確保できるか、次のステップに進ませることができるか、セールスに転換される可能性の高いリードを選別できるかを絶えず考え、領域に縛られることなく、できる限りのことをします。
急成長するファストキャンパスのB2Bビジネス。そしてB2Bマーケティング
一般顧客を対象とした(B2C)職務教育コンテンツに集中してきたファストキャンパスは、複数の企業からの問い合わせや要望を受け、2016年からB2B企業教育事業を展開してきました。現在は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を中心に、6つの分野にわたる約2万件の講座を無制限に受講できる「オンライン教育サブスクリプションサービス」、そして「カスタマイズ型企業教育設計」、「オンラインセミナー」の3つのサービスを運営しています。
22年、B2B本部の年間契約締結額は、2021年に比べて40%以上増加しました。教育コンテンツのクオリティが競合他社に比べて高く、セールス力を強化したことも主要な要因ですが、マーケティング活動の高度化も一役買っています。B2Bマーケティングの定石ともいえるメール、SEOなどのマーケティングツールをあらゆる面で活用した結果、昨年だけで5,000件以上の有意義な*MQL(Marketing Qualified Lead)を確保しました。
B2Bマーケティングの特徴!
B2Bマーケティングも一般的なマーケティングと同様に、カスタマージャーニーを設計し、コンバージョンのためにさまざまな活動を展開しますが、B2Cマーケティングとは根本的に異なる点があります。最終的な購買コンバージョンまで行うB2Cマーケティングとは異なり、B2Bマーケティングは購買コンバージョンを生み出すセールス活動の前段階までがその領域です。
さらに正確に理解するためには、B2Bマーケティングの重要な用語である2種類のリード(Lead:製品やサービスに関心を持ち、一定の情報を提供する潜在顧客)について必ず知っておく必要があります。
MQL(Marketing Qualified Lead)
マーケティング活動によって提供された内容に関心を示し、顧客に転換される可能性が高い潜在顧客SQL(Sales Qualified Lead)
営業チームと対話する準備が十分に整っており、購買意欲を持っている潜在顧客
B2Bマーケティングは、マーケティングを通じて認知と関心の段階にいる潜在顧客(MQL)をできるだけ多く獲得することに集中します。こうして獲得したMQLは、営業チームの審査を経て、バトンを渡すようにセールス対象となる潜在顧客(SQL)へと転換されます。。
ファストキャンパスB2Bマーケティングチームの秘技
ビジネス初期のマーケティングでは、いわゆる「定石」と呼ばれるものを一定のレベルまで引き上げることが重要です。企業の担当者が商品を最初に見つけられるように、検索エンジン最適化(SEO)を設定し、リードを獲得・維持するためにメールマーケティングを構築する必要があります。ファストキャンパスのB2Bチームもこの定石を忠実に実践してきました。しかし、すべての仕事において「定石」は基本に過ぎず、競争力を強化するには「もう一手」が必要です。ファストキャンパスB2Bマーケティングの「もう一手」はコンテンツマーケティングです。
マーケターが作成した専門家のレポート
コンテンツマーケティングは、B2Bマーケティングの一つの柱を担っています。顧客が求めている情報をeBook、レポート、ウェビナーなどのコンテンツとして提供し、潜在顧客を引き込み、MQLとして獲得するためのマーケティングツールです。
ファストキャンパスのB2Bマーケティングチームは、顧客である人事担当者を対象に、HRに関するさまざまな情報やトレンドを提供するニュースレター「BIZ LETTER」、職務教育に関連するウェビナー、HRDのための「フューチャーレポート」などを自ら企画・制作しています。
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ファストキャンパスのB2Bマーケティングチームは、顧客である人事担当者を対象に、HRに関するさまざまな情報やトレンドを提供するニュースレター「BIZ LETTER」、職務教育に関連するウェビナー、HRDのための「フューチャーレポート」などを自ら企画・制作しています。
例えば、PO(プロダクトオーナー)職務に対する需要と関心が高まっているにもかかわらず、関連情報を見つけるのが難しかった人事担当者のペインポイントに合わせ、PO職務の具体的な業務内容や必要なスキル、育成プロセスや方法を『デジタルプロダクトオーナー育成のための職務教育ガイド』にまとめました。
ビジネスの資産をフル活用
マーケターはPOではありません。人事担当者や企業教育の企画者でもありません。そのようなマーケターが専門家を対象に質の高いコンテンツを作り出せるのは、一種の問題解決能力にあります。
ファストキャンパスのB2Bマーケティングチームは、会社の資産を積極的に活用することで問題を解決しました。
一般顧客を対象としたB2C教育サービスを提供してきたファストキャンパスには、膨大な講座と講師陣がいます。人事担当者向けのコンテンツを作成する際、企業でリーダーとして勤務してきた講師は、職務に関する専門的な情報を提供できる重要な資産となります。
『デジタルプロダクトオーナー育成のための職務教育ガイド』であるフューチャーレポートには、ファストキャンパスの講座「YouTubeプロダクトマネージャー、ダニエルのPM 101」を活用しました。
『超高速成長した企業のTech Leaderが伝えるIT人材育成ノウハウ』フューチャーレポートは、ファストキャンパスの「the Red」シリーズの講師にインタビューして完成されました。ファストキャンパスの「the Red」は、業界最高のトップティア講師陣による講座シリーズです。最高の地位に上り詰めたTech Leaderたちが伝える人材育成ノウハウをまとめたこのレポートは、開発組織の人事担当者にとって代替不可能なコンテンツとなりました。
前段階に留まらないファストキャンパスのB2Bマーケティング
オンラインでさまざまなキャンペーンを展開してきたファストキャンパスのB2Bマーケティングチームは、2023年にはオフライン活動、例えばカンファレンス、ネットワーキング、スタディに集中しようとしています。
これまでB2Bマーケティングチームは、どのマーケティングツールが効果的かを把握し、各活動の質を高めることに集中してきました。その結果、多くの学びを得ることができ、その中でも最も重要だったのは次の点です。
「MQLを獲得するにはオンラインキャンペーンが効果的ですが、SQLや実際の購買への転換という観点では、オフライン活動の方がより質の高いリードを確保できました。」
B2Bマーケティングは、MQLを獲得するための初期段階を担当するサポートポジションと見なされることもあります。しかし、ファストキャンパスのB2Bマーケティングチームは異なります。初期の集客だけを行う「サポート」ではなく、実際の購買につながるように、全体のファネルを絶えず分析し、データを確認しながら戦略を修正していきます。「これだけ集めたから、あとはセールスしてね」というのではなく、「ちゃんと集められているか最後まで確認するよ」という姿勢に近いのです。マーケティングチャネルが限られていて、繰り返しの作業に思われがちなことも、手を抜かずにSQLや契約に転換できるリードとなるように、常に改善を続けています。
B2Bマーケターのカッコいいポイント
B2Bマーケティングは確かに簡単な仕事ではありません。時にはコンテンツを書くエディターになり、時にはカンファレンスを作り上げるイベントプランナーにもなります。組織によってはPR業務を担当することもあります。だからこそ、B2Bマーケターはカッコいいのです。問題を解決するためなら、手段や方法に制限を設けない真のジェネラリストだからです。本質的に華やかさよりも結果にフォーカスするB2Bマーケティングのカッコよさは、もっと多くの人に知られるべきです。.
✍️今日のインサイトまとめ
- ビジネスにおいて本当に必要な仕事は、華やかでないことが多いです。ビジネスの成功だけを目指すメンバーこそ、より評価されるべきです。
- 様々なマーケティングを展開する際、ビジネスに合わせたマーケティングツールの1つを必殺技にすることで、競争力を生み出すことができます。
- B2Bマーケティングでは、ビジネスの資産を正確に把握し、それをマーケティングに活用できる資産にする必要があります。
- 1つの戦略を最後まで実行してこそ、次の戦略が生まれます。